三重県桑名市を舞台に、市民ボランティアと一流のプロクリエイターがタッグを組んで「子供に元気を、大人に勇気を、街に夢を!」を合言葉に生まれた地方創生ムービー 『クハナ!』。ドラマ「アンフェア」などの脚本を手掛ける秦建日子(はたたけひこ)脚本・監督、JAZZ Kidsバンドを主人公にした涙と音楽に溢れたハートウォーミング物語の制作を支えたのは、「桑名を舞台にした映画を自分たちの手で作ろう!」と結成された地元パパ達を含むボランティアグループ。その活動は、映画製作の資金集めにPRイベント制作、ロケ地交渉にエキストラ手配(ホールでの演奏シーン出演者は1000人!)に、ロケ昼食時の炊き出し(3食×ロケ15日=45食!)、そして地元オーディションで選ばれた少女たちを含む劇中JAZZ BANDの練習(クランクイン前に半年間以上!)に自らの蔵を提供することまで…!2016年9月に封切となった映画は現在までに三重県のみならず全国16地区30館で上映され、今後も増加予定。地元の自己満足に陥らず、かつ全国メジャーエンタメの単なるサポートにはならず、一流のエンタメ制作現場を市民自らが主人公となる地域活性化活動のステージとしたこの活動は、新たなる地域活性化のモデルに成り得ると考え、その中心となった「KUHANA!」映画部に、2016年度のモテパパサポート部門を贈ります。
エンタメの力で地域を元気に!を目的に地域創生ムービーを作る、その想いも行動も非常にシンプルでわかりやすい。でも残念ながら、その多くが自己満足的低レベル作品であったり、逆に単なるプロ作業に場所貸しをしただけの市民不在型作品だったりすることが実情。しかし、今回のアクションは、人気脚本家を中心にNHK朝ドラの主演子役の松本来夢に加藤清史郎、ベテランの多岐川裕美に風間トオルなどの一流メンバーと桑名市民が同じ目線で、キッチリとした一般作品を生み出し、上映館増加からもわかるように外に向かってのパワーをキッチリと持っている。勿論、その活動は最初から順風満帆だったことはなく、多くの反対や無理解の扱いも受けてきたそうである。だが、制作が進むにつれ、市民の心に確実な変化が起こり始め、それは大きなうねりとなり、ホール演奏シーンへの市民1000人エキストラ参加へと繋がっていった。映画完成後もその熱は冷めず、桑名市での映画動員数はアナ雪超え!また、映画で生まれたJAZZ BANDは今も公演活動を続けている。
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狙い(10点) | わかりやすさ、アイデアの新しさ |
内容(10点) | 誰もが欲しい(会いたい)と思うか、写真映え、ストーリー性 |
効果(10点) | 人と共有したくなるか、将来性、地方創生への貢献度 |