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2022年度

「地方創生賞(モノ部門)」

モノ部門延岡メンマ
宮崎県延岡市

概要

延岡市は面積の80%が山林を占める中、現在誰にも整備されない放置竹林の増加が課題となっています。竹林は成長スピードが早いため、森に入る日光を遮り、他の木々の成長を止めてしまいます。また、木々よりも根の浅いことから地すべりの原因にもなります。そうした問題は、森林所有者の高齢化や林業の担い手不足によって手入れが行き届かない森林で多く見られ、弊社代表は地元・延岡へのUターンをきっかけに、この問題に直面しました。そして、このような竹害を地域資源として活用する挑戦がスタートしました。自給率が極めて低い「メンマ」という形で解決し、「美味しくいただき、森を育てる」をモットーに、地方発のサスティナブルな取り組みへと繋げました。さらに規格外のタケノコ以外にも延岡産の食材を使用し、地域の活性とともに延岡ブランドの魅力発信に努めています。また販売方法も新型コロナウイルス感染拡大という時代の背景に合わせ、「ポスター店」という人々の生活動線上である「壁」に着目した無人販売を2021年4月に開始しました。ECサイトへのQRコードを載せたポスターは日本の山林における竹害問題をより多くの人に発信し、社会全体で解決することを目的としながら、店頭orデジタルという二者択一の販路ではなく、商品に興味を持っていただき、より多くの方が商品を購入できる機会を増やすことを目指します。

PRポイント

竹林問題に対して普及している様々な取り組みがある中、食で解決する取り組みはまだ少なく、日本では主にラーメンの具として親しまれているメンマですが99%以上が外国産です。弊社はそこに着目し、「食」の文化から竹が人々の生活に身近であることを感じてもらい、「美味しい」が森を育み、山林を救う活動に繋がるというSDGsの貢献意識が根付くことを目指しております。当製品、メンマの原材料のタケノコのみならず、味付けにもこだわりがあります。江戸東京野菜「内藤とうがらし」を原種として、延岡藩主だった内藤家のご縁により生まれた延岡ならではのブランド農産物「七萬石とうがらし」、全国の鑑評会において高い技術を評される渡辺味噌醤油醸造が作る、1年以上熟成させることで旨みはもちろん香りが増した「赤麦みそ」。やさしい歯ごたえとピリ辛な味わいが特徴です。竹林問題解消に関して、2021年12月から1年間で、約26tの竹を伐採し「延岡メンマ」として生産・販売してまいりました。この活動は、約65,000㎡の竹林管理に相当します。成長が早く、管理が難しくなる竹を幼少の筍の段階で消費する事でより少ないエネルギーでより早い段階で問題解決に至っております。この実績が認められ、2021年6月JA延岡と業務提携を結び、生産者の所得アップ及び竹林整備に繋げました。さらに2022年9~11月にかけてANA国際線ファーストクラス機内食にて和食メニューの一品として「延岡メンマ」が採用され、2022年3月からは延岡市内小中学校の給食メニューに「延岡メンマラーメン」としてメンマの提供が開始されました。また同時に子どもたちへ向け、代表による特別授業が開講され、「延岡メンマ」を五感で感じてもらいながら地元の竹害が社会課題であることを知ってもらい、食を通じて自らも「森を守る」取り組みに参加しているという大切な意識を伝える時間となりました。国産メンマの知名度向上やブランド化による地域貢献が持続可能なものになるよう、販促等のビジネス観点においても常に改善を加えながら、延岡市のみならず同問題を抱えた地域への問題意識、解決方法の流布にも繋げて参ります。


参考サイト