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2020年度

「特別賞」

特別賞⾖のあるまちかわにし「ちいさなマメテン」
山形県川⻄町町

概要

⼭形県川⻄町では、⼭形県南部の置賜盆地中央に位置しています。川⻄町のことを広く知ってもらうために、2014年から町産品の「⾖」を取り上げてきました。 当初、「うちの町には特徴がない」という町⺠が多かったのですが、若⼿町⺠、農家、町職員らのディスカッションの中から⾶び出した「実は、昔からいろいろな種類の⾖を作っている」という話から、取り組みは始まりました。さらに、⾸都圏での直売会は、補助⾦を使って漫然と続けられているという批判と、⻑期的展望に基づいていないという批判、さらに若⼿町⺠から「あんなかっこ悪いイベントでは、東京の友だちを呼べない」という⾚裸々な意⾒があり、20年近く続いてきた直売会を廃⽌し、「若い町⺠が⾃分たちのライフスタイルを⾃慢できるような場を提供すること」、「売ることではなく、知ってもらう、繋がりを作ること、挑戦することを⽬的にする」の⼆つを⽬標にして、2015年12⽉から駅から遠く、完成前で知名度も低かった上野・⾕中の⼤正時代の住宅を改装した会場「上野桜⽊あたり」を会場に、「⼭形かわにし⾖の展⽰会」を開催しました。 補助⾦を使わず、できるだけ参加者の⾃⼰負担、協賛してくださる企業、個⼈の協⼒を得て、細く⻑くを合⾔葉に活動を続けてきました。幸いにして、この5年間、健康⾷品として⾖が注⽬されたことなどや、町⺠、事業者の努⼒によって、⾸都圏の飲⾷店などの経営者のみなさん、展⽰会場となった上野・⾕中の町内会のみなさま、台東区役所や北区役所の産業振興関係の職員のみなさま、さらに、⾷品メーカーの社員のみなさまから、公私に渡る協⼒と連携を得ることができてきました。川⻄町のおばあちゃんと川⻄町の⾷べ物を楽しめる「おばあちゃんの茶の間」や、じいちゃんと⼀緒にわら細⼯をする「じいちゃんの⼟間」などをはじまり、地場産品の販売も「安く直売する」を⽌め、「⾼くても良いものを、欲しい⽅に販売する」という形に変えました。 幸いにも、毎回3か⽇間の開催期間中には数千⼈の動員ができるほどの規模となり、なによりも⾸都圏の⽅たちとの繋がりが創出され、川⻄町へ多くの⽅たちが「第⼆の故郷」として訪問してくれるようになりました。そして、2020年も、⾸都圏からの川⻄町への訪問や第6回⽬になる展⽰会の開催が計画されていました。

PRポイント

2020年に⼊り、新型コロナウイルスの感染拡⼤が深刻となりました。医療関係者などの意⾒を参考に、5⽉の段階でこれまで⾸都圏で「⾖の展⽰会」を開催していた12⽉には状況が悪化すると判断しました。⾸都圏などの川⻄町ファンの⽅による個⼈旅⾏や企業の懇親旅⾏、⾷品メーカー主催の産地ツアーなども全て中⽌となりました。 これまで築いてきた⾸都圏のみなさん、特に会場周辺の⾕中町内会のみなさん、飲⾷店経営者のみなさんとの繋がりが断絶するという危機感が、町職員や町⺠からも寄せられました。 川⻄町は、⼈⼝15,000名⾜らずの⼩さな⾃治体です。予算も⼈材も限られています。出来る範囲でアフターコロナを⾒据えた活動に挑戦することにしました。それが、「ちいさなマメテン」です。 12⽉の催し規模を、⼤幅縮⼩、前倒しで10⽉に開催。さらに、これまで取り組んでいなかったオンライン講座を実施することにしました。他⾃治体が実施していることと差はないでしょう。しかし、10⽉に東京で開催するにあたって、内部でも相当の議論がありました。開催に踏み切れた理由は、最悪の場合、⼭形からスタッフを送らず、⾸都圏在住である川⻄町関係者、川⻄町ファンのみなさんで開催できる⾃信があったからです。実は、私たちにとっても新たな発⾒と驚きでした。交流⼈⼝関係の構築が、⼩さな町でも新たな取り組みに挑戦できるという⾃信に繋がりました。開催時には、⾸都圏在住のみなさんから、「よく開催してくれた」、「元気が出た」と声をかけていただきました。 次にオンライン講座ですが、これもこれまでの経験もなく、予算の都合からすべて町職員と外郭団体職員、そして町⺠のみなさん、さらにこれまでも協⼒していただいた企業の社員の⽅たちで⼿探りで作っていきました。それぞれの講座を紹介するために、事前にショートビデオやホームページを町⺠の協⼒も得て、新たに作成しました。さらに、町⺠の⽅たちからのアイデアで、おばあちゃんたちの家から、酒蔵から、マウンテンバイクツアーからなど、そして⼤⼿⾷品メーカー⼆社の協⼒を得て、川⻄町と東京、神⼾からの⼆元中継をするなど、実験的な取り組みとしました。 ⼩さな町が交流⼈⼝を構築することによって、これまで挑戦できなかった取り組みに踏み出している。私たちの取り組みは、⽇本の多くの地⽅にとっての⼩さな先進事例となることを⽬指しています。