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2020年度

「特別賞」

特別賞グリーンフラッグモデル
宮崎県⽇南市

概要

宮崎県南部に位置する⽇南市。美しい海と⼭に囲まれて、カツオやマグロ、マンゴーなど海と⼭の幸の宝庫と⾔われています。また、九州の⼩京都と称される飫肥や鵜⼾神宮、⽇南海岸など歴史と観光資源が豊富です。プロ野球やJリーグチームのキャンプ地としても知られており、国内外から年間180万⼈ほどの観光客が訪れておりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認されて、市内でも緊張感が⾼まりました。当市においても休業する店が増加しました。全都道府県を対象に発出された緊急事態宣⾔が解除されても、すぐに元の⽣活に戻れるわけではありません。そこで、感染症対策と経済活動の両⽴を⽬指すため、「グリーンフラッグモデル」を発表しました。これは、アルコール消毒や来店者の⼊店記録などの感染症対策を講じている飲⾷店や⼩売店の努⼒を「⾒える化」することで、市⺠の皆様に安⼼して各店舗等を利⽤してもらうためのものです。各事業所において、宮崎県が⽰すガイドラインを基に、本市が作成したチェックリストなどを活⽤した感染症対策を⾏い、「緑の旗」を掲げることで、「感染予防対策を⾏い、安⼼して利⽤できる店舗であること」、「安⼼して買い物や外⾷ができる期間であること」を市⺠の皆様に知らせることができます。これは事業所側の⾃主的な取り組みであり、市が感染予防対策の承認を⾏うといった制度ではありません。営業⾃粛によって厳しい状況に陥った事業所さんからお店を開けてもいいだろうかと相談されることもあり、市⺠の⽅からは、お店に⾏くのが不安という声も聞こえてきました。そこで、事業所の努⼒を⾒える化するためにグリーンフラッグを掲げようというアイディアが持ち上がりました。「緑」の旗にした理由は、⼤阪の通天閣が緑にライトアップされたことをヒントに、「安⼼」をイメージさせる⾊だと感じたからです。この取り組みを始めてから、500を超える市内の事業所に配布し、飲⾷店やスーパーだけでなく、⾦融機関なども⾃主的にグリーンフラッグを掲げています。事業者からは、「フラッグを掲げることでお客様にも安⼼して来てもらえる」といった声も届きました。

PRポイント

接待を伴う飲⾷店・それ以外の事業所に向けて、感染予防の具体的な項⽬を⽰した宮崎県のガイドラインを基にチェックリストも作成しました。そのリストもフラッグと⼀緒に掲⽰してもらう事によって、事業所にとっても市⺠の皆様にとっても、対策の内容をわかりやすく表⽰することができます。また、緊急事態宣⾔が解除されてすぐは「感染拡⼤地域からの⼊店⾃粛」など厳しい条件を設定していましたが、段階的に条件の緩和を⾏っています。国から特別警戒都道府県に指定された場合などは、フラッグを掲げないといったルールを設定し、状況に応じた対応ができるようにしています。臨時の記者会⾒を⾏い、テレビや新聞の報道を通じて、広く市内への啓発活動を⾏った結果、趣旨に賛同いただいた事業者の⽅々が取り組みを盛り上げて下さりました。事業所だけでなく、市内の学校においても、児童・⽣徒や教員の⽅が感染予防対策に取り組んでいることに対し、フラッグを掲⽰する動きもありました。さらに、⾃治会連合会からこの取り組みを家庭にも広げて欲しいという要望があり、そこで、次のステップとして、全世帯に緑のステッカーを配布して、感染予防を意識づけるとともに、市の職員が緑のバッジをつけて啓発を⾏う「グリーンフラッグプラス(家庭版)」を発表しました。他にも、主に接待を伴う飲⾷店でクラスターが発⽣した場合に、濃厚接触者を追跡できるよう来店客の⽒名と連絡先を記した「グリーンカード」を提出してもらったり、市⺠の命、⽣活、地域の医療体制を守るために、年末年始の帰省⾃粛等を市⺠に呼びかけ、やむを得ず帰省する際には、感染防⽌対策が明⽰されている「グリーンシート」による意識づけを⾏っています。このグリーンフラッグに関する取り組みが、他県にも波及し、⽯川県の七尾市でも「#がんばろう七尾!グリーフラッグ運動」として実施されました。このように、⾏政・企業・市⺠が⼀体となり、感染防⽌の啓発活動と経済活動の両⽴を⽬指して取り組んでいる「グリーンフラッグモデル」が⽇南市を象徴する取り組みとなってきました。