訪問者参加型の地域ブランディング、外国人視点でのインバウンド施策など、地域の本当の魅力を掘り起こすには“内の目”と“外の目”二つの目が必要です。観光客視点で生み出されたアイディアや、マーケティングに根差したコンテンツ開発。地域の名品がユーザーと地元の共創で生み出されていくプロセスを、ベストアプローチ賞として表彰いたします。
コト:「おかずシリーズ」の制作・発刊を通して、地域のありのままの魅力発信に取り組む、開港舎・服部一景氏の取り組み。
地元にとっては当り前でも、外から見たら特別な郷土の味・食文化などを、伝承本「おかずシリーズ」としてまとめ、発刊している。観光資源とは、一般的にPRされがちなスポットだけにとどまるものではなく、そこに根付く文化や生産者(人)や自然といった、日常生活の美しさである、という独自の切り口で地域の魅力を発信している。今まで10県のコンテンツを発刊しており、現在、愛知県のシリーズが進行中。
自らの足で地域に出向き、地域密着型(地域のお母さんたちなど)の取材をしている。
一地域で100人以上には会うという、人と人とのつながりから、地域に入り込む独自の取材手法。
取材・編集・制作・写真・イラストなどの全工程を、一人でこなす。
「情報の湯船に浸かるのではなく、自分の歩ける距離の中で情報を集め、価値観を育みたい(本人談)」
地域で当り前のように食べられていても、外から見たら特別である“ふるさと”の料理を通して、地元の人も気付かないような地域の魅力を発掘。「食育」「地産地消」の大切さを思う気持ちが考え方の根幹にあり、“ふるさと”の食を通じて、地元民もその地域の良さを見直し、愛し、育ててほしいという、地域自体に向けたメッセージも込められている。自らのライフワークとして、各都道府県と共に取り組みを進める「おかずシリーズ」本を通して、地域内外に向けて独自の地域情報発信を続けている。
これまで発刊実績2006年~現在「かながわのおかず」「にいがたのおかず」「かながわのおかず」「しばたのおかず」「やまなしのおかず」「かごしまのおかず」「ぐんまのおかず」「しずおかのおかず」「ちばのおかず」「いばらきのおかず」
「“ふるさと”の食を軸としたありのまま地域の魅力で、地元の良さをPRする」新しい視点による地域の魅力発信の取り組みとして、表彰に至ります。地域にとって当り前の食文化も、外にいるわたしたちにとってはとても魅力的で、その地に行きたいと思わせるような力を持っている、ということを教えてくれた貴重な取り組みです。外部からの訪問者である服部さんが、地元に深く入り込み、外の視点を持ちながら、地域に埋もれている様々な魅力を掘り起し、今までにない新しい価値を発信していることが、その地に新しい輝きを与えていると感じました。