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株式会社世界文化社


家庭画報美味遺産部門

『家庭画報』が出会った後世に残したい美味。

『家庭画報』本誌でここ数年の間に取り上げた日本の食材のうち、美味遺産として後世に伝えたいモノを選び、表彰します。


部門賞
  • 【SAVE IWATEの「くるみのおさけ」】
  • 岩手県、盛岡市

ふるさと名品の概要

販売社:SAVE IWATE
商品価格:1,500円(360ml)
発売開始時期:2014年12月~盛岡市鉈屋町のもりおか町家物語館の大正蔵1階『時空の商店街』と、amazonなどのインターネット通販で販売中。
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県。SAVE IWATEは、被災された方々への救援(約1年間)、再建(約2~3年間)、復興(約5~10年間)などの支援事業を行っている。岩手県内の河川沿いに自生する、日本の固有種である「オニグルミ(和ぐるみ)」は、岩手の食文化に欠かせない存在。その埋もれた資源を活用することで収入と職業創出を支援し、地元の赤武酒造とのコラボレーションで生まれたのが「くるみのおさけ」だ。岩手特産オニグルミのペーストを、赤武酒造の看板商品「浜娘」に溶かし込んだクルミリキュール。えぐみがなく、濃い味わいが自慢のオニグルミ。クルミの油と日本酒のアルコール分のほどよいブレンドで、まったりとしてコクのある味わいとなっている。赤武酒造は震災以降 大槌町から盛岡市に拠点を移し、3年前に営業を再開。直後からSAVE IWATEと共同で試作を重ね、2014年にようやく完成した。

PRポイント

(1)日本国内で流通している国産くるみのシェアはごくわずか。固く、小さく、実も少ない和ぐるみ(オニグルミ)だが、味は抜群。そんな和ぐるみの味わいを堪能できるリキュールである。
(2)岩手の伝統食でありながら、埋もれがちだった和ぐるみという食材を、地元の酒造とのコラボレーションで復興支援商品として開発した。くるみの採取、加工など、生産の過程は、現金収入を失った被災者への支援になっている。
(3)クルミの油は美味しいだけでなく、コレステロールや中性脂肪を下げるαリノレン酸が含まれているおり、体によい必須脂肪酸として注目を集めている。
(5)websiteでのイタリアン、チャイニーズなどのレシピ紹介、アイスクリームやエスプレッソにも合う汎用性の高さ。
(6)とにかくおいしい!

部門設定企業 担当者の声

東日本大震災以降、大槌町から盛岡市に拠点を移した赤武酒造が2014年に完成させた「くるみのおさけ」。岩手特産のオニグルミのペーストと酒造自慢の日本酒とのコラボレーションは、三陸の復興支援活動SAVE IWATEと赤竹酒造が共同で試作を重ねた結果。素朴な味ですが、ベースは日本酒でじつにおいしい。地域の名産品と復興にかける人々の思いが結実してできた美味遺産は、明日への希望として繋がれていくでしょう。
部門賞
  • 【サヱグサ&グリーンの「コタキホワイト」】
  • 長野県栄村小滝地区

ふるさと名品の概要

販売社:株式会社サヱグサ&グリーン
商品価格:1,728円~2,160円
販売開始時期:2015年10月~ websiteにて通信販売を開始
http://kotakirice.jp/
その美味しさはよく知られていたものの、作付け量が少なく一般にはなかなか流通しなかった長野県栄村小滝地区で作られた希少なコシヒカリ「小滝米」。新潟南魚沼地区に隣接した信越の深い雪の中で育まれた、食味の非常に高い高級米は、上品な甘みと程よいもっちり感があり、冷めても美味しいのが特長。小滝地区の農家は、長野県北部地震で水田が被害を受け、存続の危機もある中で、樋口正幸さんを中心に「地元で取れる米を核に300年先に集落を残す」を掲げ、この地域の米のブランド化を模索した。銀座の老舗子供服店「サヱグサ」は、サマーキャンプで小滝集落を訪れたことをきっかけに、樋口さんらともに、この「小滝米」を世界に誇れる日本の米としてブランディング。米をワインボトルに詰め、高級感のあるラベルをつけて「コタキホワイトギフトボトル」として販売。贈答用に人気を集めている。

PRポイント

(1)作付け量が少なく、一般にはなかなか流通しなかった高級米をブランディングし、自社通販サイトで流通。
(2)風土や気候によって年ごとに品質が変わる、ワインと多くの共通点を含んだお米。ワインを味わうようにお米を味わってほしいという思いから、保存にも有効なボトリングを施す。
(3)創業明治2(1869)年、銀座の老舗子供服店「サヱグサ」の代表取締役社長である三枝 亮さんと小滝集落の人たちの絆、集落をこれからも残したいという生産者の思いを味わっていただきたい。
(4)Kotaki Rice&Futureとしてデザインディレクションし、ギフト用の美しいワインボトルに仕上げた。米袋も、白と赤を基調としたユニバーサルなパッケージデザインを施しラインナップ。
(5)日本人の主食である美味しいお米を、ギフトに最適なパッケージングで仕上げたことで、海外の人のギフト需要も喚起。
(6)東日本大震災の翌日に発生した長野県北部地震により、7割の田んぼが作付けできないほど大きな被害を受けた長野県栄村小滝集落。「小滝集落を300年後まで引継ぐ」という復興ヴィジョンを掲げ、その核として集落独自のブランド米「小滝米」の展開を開始。2015年米の販売では、「コタキホワイト」「コタキヌーボー」のボトル1本につき50 円を復興支援金として寄付してる。

部門設定企業 担当者の声

長野県栄村小滝地区は、長野県北部地震で被災し、田畑の7割が壊滅的な被害を受けました。自然教育の一環としてこの地で里山体験やでキャンププログラムを実施していたギンザサヱグサの代表である三枝 亮さんは、栄村小滝の米作りへの情熱に共感、復興への思いを込めて、「小滝米」のブランディングに取り組みました。ワインボトルにお米を入れてギフトとして贈るという発想は「美味遺産」にふさわしいアイデアと考えます。
部門賞
  • 【信州ワインバレー構想】
  • 長野県
    ※4つのワインバレー 「桔梗ヶ原ワインバレー(塩尻市)」、「日本アルプスワインバレー(松本市、安曇野市、大町市、池田町など)」、「千曲川ワインバレー(小諸市、東御市、長野市、須坂市、中野市、青木村、小布施町、飯綱町、上田市、坂城町、高山村など)」、「天竜川ワインバレー(宮田村、松川町など)」

ふるさと名品の概要

ワインの美味しさはぶどうで決まるといわれる。ぶどう栽培に適した自然条件を備えた長野県はワイン用ぶどうの生産量日本一を誇り、良質なぶどうの力を存分に引き出してワインづくりを行うワイナリーも数多く存在し、国内外のワインジャーナリストや専門家が審査を務める「国産ワインコンクール」では、NAGANO WINEや長野県産のぶどうを使ったワインが毎年入賞。また、2002年からは「長野県原産地呼称管理制度」もスタートし、さらなるレベルアップが図られている。カリフォルニアの”ナパバレー”でも知られるように、良質なワイン用ぶどうが育つ土地には、傾斜や起伏があり、まさに渓谷のようであることから「バレー」と呼ばれる。2013年3月に立ち上がった「信州ワインバレー構想」では、4つのワインバレー設定し、ぶどうの栽培から醸造、販売、消費に至るまで振興策を提示。ぶどう畑が広がるその地に、ワイナリーやレストラン、ショップなどが立地し、訪れる多くの人々にNAGANO WINEを楽しんでもらいたいという思いから、NAGANO WINEのブランド化、ワイン産業のさらなる発展、世界に誇る日本ワインの一大生産地として「信州ワインバレー」を認知させるべく戦略的に活動している。

PRポイント

(1)ワイン用のぶどう生産量日本一、数多くのワイナリーを擁する長野県。振興拠点を線で繋ぎ、産業と文化の発展を目指したその試み。
(2)NAGANO WINE全体の品質向上のため、香り、味、色など消費者の目線も取り入れ、栽培方法、生産方法、味覚の観点から厳しい審査を実施している「長野県原産地呼称管理制度」。長野県在住のエッセイスト玉村豊男会長のもと、田崎真也さんら著名なソムリエが審査委員会として名を連ねている。
(3)ワイナリーを巡り、NAGANO WINEと土地の食材を味わう。長野県だからこそ、海外よりも気軽に巡り、味わい、会いに行くことが可能。そんなワインツーリズムを、モデルコースとともに提案。
(4)千曲川、北アルプス、城下町など、信州の豊かな自然、文化や歴史に触れることができる。
(5)手打ちそばとのマリアージュなど、信州ならではのワインの楽しみ方も提案。
(6)栽培、醸造、地域連携による「産地形成」、認知度向上、消費拡大、観光交流を目的とした「プロモーション」、品質向上、文化育成、環境との共生を打ち出した「価値向上」を3本柱にして地域振興に取り組んでいる。

部門設定企業 担当者の声

長野県のワイン産業は明治時代に遡る歴史を持ちますが、更なるワイン産業振興と県産ワインのブランド化の為、平成25年3月に「信州ワインバレー構想」を打ち出した。2014年に東御市に設立されたドメーヌ・ナカジマは北進地域で最も新しいワイナリーたが、生産する「シュナン・ブラン2013」「カベルネ・フラン2013」は非常に評価が高い。

ねらい メディアの概要

日本の美味を探し続けて半世紀。『家庭画報』ならではのネットワーク、視点でセレクトした「各地方が地の利を生かして生産に取り組んでいる食材」を広く消費者に知っていただきます。
流行に左右されることない地域の誇りである本物の美味を広く皆さんにお伝えし、地方創生に役立てることができると思います。
メディア担当者の声
『家庭画報』では長年に渡り、日本の伝統的な美味を追い続けてきました。
2016年に700号を迎える『家庭画報』が、これからの日本を代表する地方の美味を選びます。

2016年6月号で創刊700号を迎える『家庭画報』は、一貫して日本の美味を追い続け、読者の皆様に提供してきました。
また、合わせて日本の各地方の素晴らしい人、物、場所も紹介してきました。
これらを通して、多くの読者を各地方にいざないし続けています。

募集概要

【応募期間】
応募なし

 

【応募方法】
応募なし

【受賞時の特典】

『家庭画報』本誌で受賞した美味を紹介します。

2015年12月中旬